日本一の長寿の長野県民は日本一塩分を摂取している!



事の発端

 

 

事の発端は週刊誌「週刊現代」の2013年4月27日号の記事です。そのタイトルは「昔は脳卒中の死亡率No1、がんセンターもなし、海がないから新鮮な魚は食べられない、それなのになぜ?」というものです。

 

 

その内容をおさらいしておきましょう。今年(2130年のことです)、厚労省が発表した平均寿命では、長野県が初めて男女ともに1位に輝いた。どうして「長寿県」になれたのか。我々が真似できることはないのか、となっています。

 

 

そしてアンチエイジングの第一人者とされる順天堂大学大学院教授の白澤卓二医師が述べています。第一の理由は「住めば身体が活性化する」です。そもそも長野県は、以前から長寿県だったのではありません。1965年の調査では、男性の平均寿命は68・45歳、全国9位、女性は72・81歳、26位となっています。当時は脳卒中の死亡率では全国1位でした。

 

 

そんな長野県がどうして寿命を延ばすことができたのか?白澤医師は、近著「長寿県・長野の秘密」(しなのき書房)においても、その研究成果を披露しています。

 

 

「長野県が長寿県として注目されてきたのは、ここ2~3年で、そのきっかけは50年ほど前にさかのぼります。当時は、脳卒中の死亡率がトップクラスだったのですが、それは長野県民の塩分摂取量の多さが大きな原因でした。長野は海に面していません。冬も厳しいので、食物を保存するために塩辛い食べものが多かったのです。それで高血圧を引き起こし、脳卒中につながっていました。

 

 

これの対策として、昭和20年に長野に赴任した若月俊一医師が「予防医学」の考え方を広めていったのです」とあります。