日本一の長寿の長野県民は日本一塩分を摂取している!



ミトコンドリア

 

 

まずはこのようにして、塩分摂取を控えるために取り組みが始まりました。そのために医師だけでなく、保健師による健康指導、そして生活習慣病予防のための講座も多く開かれたのです。野沢菜の摂取量や味噌汁の塩分濃度を減らすために県ぐるみで運動が行われていきました。

 

 

ここまではいいのですが、長寿になるためには減塩すればいい、というような単純な話ではありません。「減塩は高血圧の人だけにしか意味がない」ともされています。他にも長野県には、いろいろな長寿の秘訣が潜んでいるのです。

 

 

「環境」も秘訣となるひとつです。長野県は、地形的に日本アルプス、八ヶ岳などの日本を代表する高山に囲まれた場所にあります。長野にあるほとんどの農地は標高が300m以上の位置にあり、そのために平地よりも気圧は低くなり、それが影響することがあるのです。ミトコンドリアです。

 

 

細胞内にあるミトコンドリアの活性に関係するのです。ミトコンドリアは、ほとんどの生物の細胞内にある小器官で、酸素によって炭水化物などを分解し、エネルギーを生み出す役割を持っています。

 

 

気圧の低い場所では、肺の中の酸素分圧が低くなり、血液中の酸素濃度が下がります。全身の細胞への酸素供給量も低下するので、ミトコンドリアは少ない酸素で効率的にエネルギーを生成できるように活性を上げます。陸上選手が高地トレーニングを行うのと同じ理論です。

 

 

一般的には歳を取るとミトコンドリアの活性は下がりますが、高地に住んでいる長野県の人は、日常生活を送るだけで、高知トレーニングをしているのと同じ環境にあるのです。